「愛護とは」の末尾で管理について、①愛護に内包される行為・概念 ②動物による人等への危害防止 ③動物による人への迷惑防止 と説明しましたが、例を挙げながら、拙い説明をします。
① 愛護に内包される行為・概念
動物の立場で、①障害や疾病からの自由 ②飢えと渇きからの自由 ③恐れと不安からの自由 ④基本的な行動様式に従う自由 ⑤肉体的苦痛と不快感からの自由 とあります。人が飼養している動物に対しては、飼養している方が、動物がどのような状況か観察接触し、考え、飼養している動物になりきり想像し対応する事が求められます。人と動物を比較して、何事だ!とお叱りを受けるかもしれませんが、健常者の方は、ご自分でそれぞれの項目に対応できますが、障碍者の方は、状況により他人の手助けが必要になる福祉と類似的なことです。
② 動物による人への危害防止
犬を飼われている方が散歩する時に、引綱(リード)を付けている主な理由は、他人を噛む事を避けるためです。犬と猫を比較した場合、個体差はあるでしょうが、犬は攻撃性が富み、猫は隠れる事を得意としているため、猫の外飼いが認められてきたと考えられます。
③ 動物による人への迷惑防止
犬の散歩において、糞尿の処分についてマナーとして、糞は持ち帰り、尿は防臭液をかけるなど行っています。外飼いの猫についても、国・都の施策では、室内飼いを推奨していますので、新しく猫を飼う方は、室内飼いをお願いします。また、外飼いの猫について、迷惑されている方は、所有者・飼養者にご相談をしてくだい。直接ご相談するのが、嫌だなと思われる方は、地元の行政・ボランティアに立会いをお願いしてください。迷惑の有無については、個人の感覚のため、名乗り出る必要と思われます。本法律により、所有者・飼養者の管理責任があるので、対応して頂ける筈です。
飼い犬にマダニが居付き、飼い主が被害を受けたとの報道がありました。蚤・ダニがついて繁殖することは、犬としては、病気になってしまう!ムズムズして不快!である と想像し、蚤・ダニを駆除する管理責任が、所有者・飼養者にあります。蚤・ダニが繁殖する事を防ぐ事を怠った場合、間接的に人への危害防止・迷惑防止を怠ったことにもなります。勿論、外飼いの猫についても、所有者・飼養者が、蚤・ダニの駆除を行う必要があります。
狂犬病予防接種については、色々のご意見がありますが、それぞれの団体・個人が薬の成分比較・温暖化および物流の簡素化などを考慮にいれたデーターで行政と交渉を行っていて大変だなと思いますが、ここでは、現行の法律での記載とします。
狂犬病の罹患は、蝙蝠・鼠・猫・狸・狐・犬・人など全ての哺乳類が罹患するとされています。狂犬病予防法では、犬を対象に、居住地域の行政へ犬の登録・狂犬病予防接種・犬への登録票装着・犬への狂犬病予防接種済票装着の義務があります。違反した場合、それぞれ、20万円の罰金対象となっています。人への危害を防止する管理に当たります。何故、犬だけ? については、犬の攻撃する武器は、噛むであり、猫の武器は、引掻く、の違いにあります。狂犬病の病原菌は、体液の内、唾液に多く含まれるためです。また、一般的な個体の大きさにより、罹患から発病、病死までの時間的な差により犬を対象にしています(海外へ渡航する場所等により人も予防接種を行っています)。発病が確認された場合、通行規制処置がとられ、規制箇所の全ての哺乳類を捕獲し、発病しないか経過観察を行います。狂牛病等が発生した時の対応(通行規制等)を人口密集地で行うようになります。しかし、散歩している犬には、票の装着が少ないですね。大規模災害時の同行避難時(同居避難ではありません)においても、受入側として、票の装着の有無を確かめると思われます。
命の次に大事な車に猫が乗り傷ついたとの相談がありました。猫の所有者は、超音波発生機をその方の駐車場回りに設置していましたが、車の所有者は、塗装と、メーカー純正のボディカバーを求めていました。車の所有者は、命の次に大事な車を守る処置をせず(防御責任の遂行)バンパーには、ぶつけたへこみがありました(受任限度不明)。テント式の覆いをして車を持っている方に話を伺った所、鳥・猫は、地域に一緒に棲んでいるのが当たり前と言っていました。自動車の管理についても、いろいろな考え方がありますね。
地域猫の管理については、地域に棲息している猫を管理していると思われている方が殆どと思われます。憲法において、思想の自由があり、猫好き・猫嫌いの自由があります。国・行政の施策として、思想の自由を束縛することは避けたいと考えます。そこで、糞尿の被害・置き餌の問題を考え、思想の自由で、環境が悪くなる事を望む方は、少ない(いない)だろうと、環境を管理していく施策にしようと考えました(民事に行政が手を出すほどの世情)。住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン(環境省)・「飼い主のいない猫」との共生をめざす街ガイドブック(東京都福祉保健局)を読みますと、糞の片付・猫トイレの設置・置き餌禁止等、環境改善項目が並んでいます。一見猫の管理と思われる飲み水についても、尿が濃くなると匂いが強くなるのは、人と同じです。キャットフードの推奨についても、人の食べ残しは、味を覚えて残飯漁りをし、ゴミを散らかす事をさけるためです。不妊去勢手術を前提にしているのも、発情期の猫の鳴き声の騒音軽減と、多数の猫による糞尿の被害を少なくするためです。適正飼養ガイドライン(環境省)では、猫の健康管理まで踏み込んでいますが、人への感染症予防(環境衛生)になります。また地域住人の合意との言葉が出てくることにより、地域猫の地域とは、地域の住民(地域社会)のことであり、地域に棲息している猫ではないことは、明白(植物と違い、動物のため一定箇所にいない)です。地域猫活動=地域社会において、猫が起因とする環境悪化を、動物愛護および管理に関する法律を守尊しながら改善する活動 になり、猫に対しての感情は不要になります。故に、地域猫活動が社会学として成立ちます。併せて、犬の糞の片付けのお願い等を行えば、地域愛護動物活動になりますね。
民法718条「動物の占有者等の責任」動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
2 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。
とありますが、国の施策として地域猫活動を打出すにおいて、関係省庁との協議を重ね、地域社会での環境の管理なので、民法718条には該当しないと結論付けたことは、容易に想像できます。
ボランティアは黒子(地域猫とは)に経験を記載しながらチラシを作りました。http://mitaka123.com/?cat=19
「動物の愛護および管理に関する法律」の題名を2シリーズに別けて、載せました。次回(いつになるやら)は、辞書を片手に衝撃を受けた第一条になります。
余談ですが、東京都初の三鷹市民によりセアカゴケグモが発見されましたが、蜘蛛の中には移動手段として、糸を出して風に乗って飛ぶのもあるようです(セアカゴケグモでは、報告がありません)。発見された市民の方のように、地域社会に目を向けて頂くようにお願いします。地域猫活動にとっても、重要な点になります。
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